便秘で悩む人は非常に多くいらっしゃいます。
その原因は、どんなところにあるのでしょうか。
便秘は、大きく
・機能性便秘
・器質性便秘
の2種類に分けられます。
まずは、便秘の悩みの多くを占める「機能性便秘」の原因についてまとめてみました。
目次
便秘の原因の主な6つ
1.便意を我慢してしまう
時間がないから、用事があってタイミングがあわない、などの理由でせっかくの便意を我慢してしまうことが続くと、便意を感じなくなってしまい便秘につながります。
2.運動不足
腹筋が弱いことも便秘の原因になります。便を押し出す力が足りないことによるものです。日頃から運動をして腹筋を鍛えることが効果的です。高齢者の場合には、運動が難しく便秘に悩むケースも多く見受けられます。
3.ストレス
ストレスにより、自律神経の働きを乱れさせて便秘につながることもよくあります。
4.食生活の乱れ
快適なお通じのためには、食物繊維が重要な役割をになっています。ところが、食生活の乱れにより食物繊維が足りなくなると、便秘になりやすくなります。
5.水分不足
摂取する水分量の不足と、腸内に便がとどまる時間が長くなることにより、必要以上に大腸で水分が吸収されてしまい、便が硬くなってしまう場合があります。ここで、便の適度なやわらかさを保つのに重要なのが食物繊維です。食物繊維の不足は、腸内の水分量の調節機能を悪くして便秘につながってしまいます。
6.薬の副作用
自律神経に作用する薬の副作用によるもの。その他、多くの薬で便秘という副作用のあるものもあります。
詳しくはお薬の処方をされたときに、薬剤師さんにしっかりお聞きしておくことが大切。また、下剤の使い過ぎも、排便する力を弱くしていってしまう副作用を生むことがありますので、注意が必要です。
便秘の種類
便秘の主な原因についてご紹介したのですが、
ここからは、便秘の種類による原因について、もう少し詳しくみていきましょう。
◇機能性便秘
弛緩性便秘
けいれん性便秘
直腸性便秘
◇器質性便秘
機能性便秘の原因
弛緩性便秘
大腸の運動が低下してしまっているのが弛緩性便秘です。
これは、高齢者や女性に多いタイプの便秘。
おなかが張る、残便感、食欲低下、肩こり、肌荒れ、イライラなどの症状が特徴。
腸管の働きが鈍くなり、ぜんどう運動がじゅうぶん行われずに大腸で必要以上に水分が吸収されて便が硬くなってしまうために便が出にくくなります。
このタイプの便秘の原因は、
・水分不足
・食物繊維不足
・腹筋力の低下
・極端なダイエット
などが挙げられます。
けいれん性便秘
副交感神経の興奮によって腸管が緊張し、便がうまく送られずにウサギの糞のようにコロコロとした便になるのがけいれん性便秘。便秘と下痢を繰り返す人も多くいらっしゃいます。
食後の下腹部痛や残便感などの症状がある場合もあります。
このタイプの便秘の原因は、
・環境の変化
・過敏性腸症候群
などが挙げられます。
直腸性便秘
直腸に便がたまってしまうのが直腸性便秘。
便は直腸にまでおりてきているのに、排便反射が起こらずに、排泄がうまくできなくてつらい便秘です。
便意を我慢することが続いたり、高齢者や女性などによくみられるタイプの便秘です。
このタイプの便秘の原因は
・痔の痛みが怖くて排便を避けることが続き排便センターの働きが悪くなるため
・直腸、肛門、その周囲の筋肉の動きの異常
「内肛門括約筋」「外肛門括約筋」「骨盤底筋群の中の恥骨直腸筋」などが関係する
・直腸重責(直腸の中に腸ががめり込んでふたをした状態になるもの)による
・骨盤底下垂(いきむと骨盤庭筋が下がってしまい、うまく便を押し出せない)
・加齢による腹圧の低下
などが挙げられます。
器質性便秘の原因
器質性便秘は、病気などにより腸に器質的な原因があって、消化管に通過障害が起こるタイプの便秘です。
このタイプの場合には、素人での対症療法で危険が出てくるケースもあるので、激しい症状があったらすぐに病院に行きましょう。激しい症状というのは、血便、激しい腹痛、嘔吐などです。
禁忌なのは下剤の使用です。腸管穿孔を起こす恐れがあります。
このタイプの便秘の原因は器質的な原因ですが、そのもととなる病気には
・大腸がん
・腸管癒着
などがあります。
その他の便秘の原因
以上みてきたタイプ別の原因の他に、薬の副作用による便秘や、全身疾患が幻影んによる便秘もあります。
薬が原因の便秘
薬の副作用で、腸のぜんどう運動が抑制されて便秘になることがあります。
便秘の原因となる主な薬剤 |
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モルヒネ、鎮咳薬 |
抗コリン薬、抗ヒスタミン薬、向精神薬、抗うつ薬、攻パーキンソン病薬、抗不整脈薬 |
降圧薬 |
制酸約、鉄剤、収れん薬など |
全身疾患が原因の便秘
糖尿病や甲状腺機能低下症などが原因となることがあります。