夏休みになると、子供たちが喜んで飼育するもののひとつがカブトムシやクワガタ。
今も昔も変わらず、夏のペットショップや里山の昆虫採集で子供達の人気の的ですね。
全身硬い漆黒の身体や大きく目立つ角や大あごが他の昆虫類とは一味違う格好良さとして、長く昆虫の王様としてその人気を保持し続けてきました。
また近年になって海外産のカブトムシやクワガタの輸入が解禁となり、その人気は大人をも巻き込んで着実に広がりを見せています。
ここでは、カブトムシの寿命はどのくらいなのか、クワガタと比較するとどうなのか、カブトムシの寿命を延ばすにはどうすれば良いか、について調べてみましょう。
目次
カブトムシの寿命はどのくらい?
一般的にはカブトムシやクワガタが羽化し成虫として活動する期間は夏場であるということは、誰もが知っていることです。
さらに、子供の頃に真剣になって飼育していた記憶がある人であれば、カブトムシの成虫はひと夏1、2ヶ月の寿命であるが、コクワガタやオオクワガタ、ヒラタクワガタを始め一部の種類のクワガタは越冬し、中には数年間生き長らえるケースもあるということを知っている人も多いのではないでしょうか。
カブトムシの成虫の寿命は約1~2か月
カブトムシの卵から成虫までの寿命は約1年です。
ただ、カブトムシの一生の中では幼虫の期間が一番長く、成虫の期間はわずか1~2か月となります。ではカブトムシの一生はどのようになっているのでしょう。
② 幼虫・・・約10か月
③ 蛹(さなぎ)・・・約1か月
④ 成虫・・・1~2か月
時期としては8月下旬くらいまでですので、ホームセンターで購入する場合も、8月初旬までくらいにしておかないと、購入してすぐに寿命、ということになりかねません。
野山などで採集してくる場合も同様です。実際、ホームセンターで昆虫ゼリーを販売するのも8月末くらいまでとなっているようです。
カブトムシが弱ってくるサインは?
カブトムシの成虫が弱ってきて、そろそろ寿命かな、と思われるサインは下記のようにいろいろあります。
・ ひっくり返りやくすなる
・ ひっくり返ったものを、もとに戻してやっても、またすぐにひっくり返ってしまう
・ 食欲が減る
・ 足の関節部分より先のところが折れている
・ メスは土の中にもぐって、なかなか土の上に出てこなくなる
・ オスは角(つの)が邪魔してもぐりにくいため、マットの上、落ち葉の下、木の下などで休んでいる
カブトムシの寿命を少しでも長くするには
成虫の期間が短いことはわかりましたが、それでも、少しでも長生きをしてもらうためにできることもあります。
② 20~28度くらいの室温を保つ
③ 同じケースにオスを2匹以上入れてけんかをさせない
④ 同じケースにいつまでもオスとメスを一緒に入れておかない(交尾を繰り返して体力を消耗してしまう)
また、野生で捕獲してきたカブトムシには、ダニがついていることがほとんどです。このダニもカブトムシの寿命を縮めますので、早いうちにブラシなどでダニをとってあげるといいでしょう。
もう1点、成虫になって交尾が終わった後は、オスとメスとを別べつにしておいたほうが、その後の体力の消耗が防げます。ただ、幼虫の間は、オスとメスを一緒にしていたほうがよいようです。別べつにしておくと、成虫になる時期がずれて、交尾をうまく行えなくなる恐れもあるようです。
クワガタの寿命は?
では、クワガタムシの寿命はどのくらいなのでしょうか。
こちらは、種類によってさまざまとなります。
同じクワガタの仲間であっても、大あごが3Dで良く発達しており派手な体躯をしているノコギリクワガタやミヤマクワガタは意外と寿命が短く、カブトムシと同じように、ひと夏数カ月であっさり死んでしまうケースが大半です。
比較的 短命なクワガタムシの種類
カブトムシやノコギリ・ミヤマ、そしてオオクワガタを始めとした一部のクワガタの間でなぜこれ程までに寿命の差があるのかという理由については詳しく分かっていない部分が多いようです。
一説としては、生殖活動の為に血気盛んな闘争を繰り返す種類は体躯や角、大あごが派手な分、寿命が短くなってしまうのではないか?という事が言われています。
比較的短命なクワガタムシとしては、ノコギリクワガタ、ミヤマクワガタがあげられます。
これらは確実に交尾に至り繁殖力も高いのですが、寿命が短く、あっさりと死んでしまう印象が強いものです。
数年以上生きるクワガタムシの種類
オオクワガタやコクワガタ、ヒラタクワガタなどが数年間生きるクワガタムシです。
こうしたクワガタムシの仲間は性格が温厚で闘争を好まず、臆病で常に木のほらに隠れている事が多いのです。からだつきもそれに適し、平べったくどちらかと言えば地味なフォルムをしています。
早目に羽化をしても表に出てくるまでかなりの期間を要するという点でも異なります。羽化した後も、土の中で長くじっとしているのです。生活史自体がスローで細胞の劣化ペースも少ないのではないか、と考えられています。
この点については、近年に輸入解禁となった海外産のカブトムシやクワガタムシにもある程度当てはめることができるようです。
海外産のカブトムシ・クワガタムシの寿命は?
ここまで見てきたのは、日本産のカブトムシやクワガタムシについての寿命についてでした。
日本には、四季がありますので、カブトムシやクワガタムシの一生も、気温の高い夏に繁殖などの行動を起こし、寒い季節は蛹や幼虫として過ごす、という基本的な四季への適応方法がされているのです。
いっぽう、海外産の種類は言うまでもなくその大半は四季が無く、年間を通じて成虫が活動できる温湿度の条件を備えた熱帯地方原産ですので、寿命に関しても、少し事情が異なります。
とくにカブトムシに関しては日本産よりも長生きの傾向が強いと言えます。
例えば南米産のヘラクレスオオカブトや一部ゾウカブトの仲間には成虫で半年以上余裕で生きる個体も知られています。
まとめ
子供たちの夏の楽しみである昆虫飼育。寿命があるのは、生き物なのでしかたありませんね。
それでも、少しでも長生きしてもらうために、たいせつに育ててあげましょう。
うまくいけば、来年、カブトムシの卵が孵化して、また育てることができるかもしれません。
楽しみですね。